昔だけでなく、また特定の街や地域だけでなく、今も、そしてどこの街、地域にも在る「魔女狩り」について少し述べておこうかな。「魔女」と言っても、対象は女だけでなく男も含まれている。ただ、狩りをするほうは、男であることは滅多に無く、何かの目的で集まった女たち、類を持って集まった女たちである場合がほとんどだ。

こちらの地域は、どちらかと言えば貧困の生活をしている人たちより、よその平均的な生活をしている人たちの多い地域よりもかなり裕福な生活をしている富裕層が多い地域だと言える。その中にも、私のように貧の谷間にあって、日々ギリギリ生きている者も居ることは居るのだが……。

その富裕層の多いこの街に、もう40年以上も前から続いている女声コーラスグループが有る。最初から男は入れない女声のみのグループだ。結成当時は30代、40代ばかりであったであろうメンバーも、今は70代、80代になり、80の半ばを過ぎた者もいるようだ。

大体、そのグループに入っている女たちは一定以上の富裕層で、その中の一部は、金とヒマを持て余し、品性や教養、人に対する優しさ、思いやりといった人間としての資質だけはどこを探しても持ち合わせがないという女だと言って間違いない。

コロナ禍で、しばらくはコーラスの活動も自粛されていたが、中の良いメンバーが例えばふれあいサロンなどでお茶を飲んで話に花を咲かせるということは出来る。そういう中に、人の噂話などには一切加わらない賢明な女たちも居る一方で、その手の話をせんがために寄り集まる女たちも少なからず居る。

地域の、自分たちがよく知っている男について、女について、珈琲のつまみ代わりにやり玉にあげる。噂話で済んでいる間はまだ罪が無いというか軽いが、自分たちで噂話をこね回した結果として産み出した、でっち上げた「虚像」に対して、それを裁こうとするようになる。そうなったら、罪が無いで済ますことは出来ない話で、これにはきっと神様の罰が、仏様の罰が当たるであろうことは間違いない、と私は思う。

こういう女たちは、コーラスという、一見上品な趣味、活動に集まっているはずであるにも関わらず、その顔には心の底の酷薄さ、無教養などがありありと表れているから不思議なものだ。現代の魔女狩りを日常的にやっていれば、当然、そういう顔付になるのだろう。